top of page
第二十回研究会(「あなた」の片鱗)
2023年5月6日(土) 詩を二篇合評した。一つは正村さんの「水浴」で、もう一つは内藤さんの「無題」という詩だ。二人とも詩風というか、感性が私から遠いところにあるように感じられ、私はその場で何か言えたことがない。今回も2週間ほどたって、ようやく日録におこしている始末だ。...
第十九回研究会(『実存文学Ⅲ』進捗状況)
2023年4月22日(土) 新学期が始まり、初めての集会が行われた。今回は本年度制作する『実存文学Ⅲ』や『江古田文学』での特集について、進捗やスケジュールなどを改めて話し合った。以下、会議の様子を記録する。 『江古田文学』の特集に掲載する、『実存主義文学事典』について次のよ...
第十八回研究会(「苦悩」について)
2023年4月8日(土) 今回は合評ではなく、今後『実存文学Ⅲ』で取り扱う予定の詩人の作品の読み合わせと、討議を通じて思索を深めることが主となった。 読み合わせの内容については『実存文学』の次巻の内容に触れるため省略するが、代わりに討議のなかでもとりわけ興味深かった「苦悩」...
第十七回研究会(『江古田文学』読み合わせ)
2023年3月26日(日) 日録を書くまでに日が空いてしまったため、当日のメモと研究会メンバーの証言を元に合評の様子を記録する。 前日は大学の卒業式であり、しかもこの日は春雨で、参加メンバーは皆どこか疲れた様子であった。...
第十六回研究会(最も空虚な言葉)
2023年3月11日(土) 前回の日録では、内藤くんが「あなた」について書いていました。その中で、他の研究会会員が考える「あなた」が気になるということで、今回は誠に勝手ながら、僕が考える「あなた」について書きたいと思います。とはいえ、「あなた」という概念を説明するのは難しい...
第十五回研究会(受肉の過程、言葉による自己解体)
2023年2月25日(土) 今後にむけての話し合いの後、久しぶりに詩の合評をした。中田さん、舟橋さん、島畑さん、古川くんが作品を持ち寄った。 古川くんの作は、「言葉の暗闇 ――朝日と夕日に挟まれて――」と題されていた。 手がかりはあるが、一読してすぐに何かが出てくるわけでは...
第十四回研究会(文学と生活)
2022年11月12日(土) 私の詩は冗長だ。息の転回に身を委ねているというべきか放漫というべきか、後者かもしれない。この度の勉強会では、私の「橋頭」と、真反対に磨きあげられた詩を書く中田さんの「灯の翳」の二篇を扱うこととなった。...
第十三回研究会(「わたし」と「世界」の垂直性)
2022年10月1日(土) 「あなた」への現代詩と「わたし」への現代詩の二つの流れがある。研究会では私を除く全員が「あなた」への現代詩で、その為に毎回私の詩の合評は、難航するらしい。私の詩(「言葉の欲望」)は、「母がわからない私」がわからない、という母子関係の根本的問題を表...
第十二回研究会(詩を書く順番と魂の成長)
2022年9月10日(土) 今回の合評は、いつも通りI研究室にて行われた。以下、取り止めのない速記を記す。 中田さんの詩『夜行』について ・過去作『廃校』と同じような雰囲気を感じた。「一粒の嘘」とは何であるととるかによって解釈が変わる。煌めき(光)には色がない。嘘によって白...
第五回研究会(意識の最下層性機構について)
2022年6月25日(土) 今回の勉強会では大きな進展があった。舟橋くんが菅谷規矩雄『ゲニウスの地図』の研究を進めるなかで描き出した、一枚の図を持ってきたからだ。 「意識の最下層性機構について」と名付けられた図は、言葉、コギト、空白(母にとっての子のような、何かを代入できる...
第四回研究会(「あなた」を救うための詩)
2022年6月11日(土) 日録を書くまでに日が空いてしまったため、当日のメモと研究会メンバーの証言を元に合評の様子を記録する。 舟橋くんは「亡骸」を発表したが、詩の出来栄えに納得していない様子だった。「特有の美的感覚と、彼が直面している問題が見える詩」「詩が終わったあとに...
第三回研究会(詩人にとっての「救済」とは何か)
2022年5月28日(土) 第三回は中田先輩、内藤先輩、島畑さんの作品合評を中心に、各々の課題発見がなされた回であった。 中田先輩の詩(「涙痕」)では、先輩は完成されている身でありながら、完成されていない「あなた」を助けに行こうとする。しかし何もできずに、見ていることしか叶...
第二回研究会(救済型と安心型)
2022年5月14日(土) 「救済を信仰する(救済型)か、安心を信仰する(安心型)か」。これは内藤先輩の詩(「捨て子の路」「駅舎」)の合評を行なっている際に生まれた、あらゆる人間がこの2種類に分類できるという仮説だ。例えば日本作家なら芥川龍之介や太宰治が「救済型」で、森鴎外...
第一回研究会(不幸について)
2022年4月30日(土) 「詩を書くときだけ不幸になれる」 と呟くと、会議室に一瞬の静寂が流れた。この発言は場違いだったのかもしれない。しかし、実際に私は詩を書き始めるとき、普段の「幸せ」な生活から切り離されたところに、意識的に行っている感覚があるのだ。この場で私は異端者...
bottom of page