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夏期研究会

更新日:2023年5月24日

第六回 2022年7月9日(土)

第七回 2022年7月23日(土)

第八回 2022年8月6日(土)

第九回 2022年8月13日(土)

第十回 2022年8月20日(土)

第十一回 2022年9月3日(土)


 夏休み期間も、基本的には隔週で勉強会をおこなった。行われた合評や議論から、要点をまとめて日録としたいと思う。

 論文について、山下先生は「架空の講演」のようなイメージで、語り聞かせるように書いているとおっしゃった。内藤先輩は「対象と会話するように」書き、中田先輩は一般的には注目を集めない詩から分析をはじめ、オーソドックスな詩にうつる。舟橋先輩は初めに引用してから書き始める。わたしは日記のかたちをとって書く。このように、論文の書き方には個人の性格が投影されるため、とても興味深く感じる。

 わたしは批評が上手くできないと悩んでいた際に、山下先生に「人間の脳は論文を書くようにはできていない」とアドバイスを頂いたことで、とても気が楽になったことを覚えている。批評は「恋愛」や「精神分析」のようなものだ、という示唆も、緊張を解くのに重要なものであった。

 詩作品においては、毎回2〜3作品を取り上げて合評を行った。とくに重要なものとして「詩には『俳句的』なものと『短歌的』なものがある」という発言が挙げられる。これは9月3日(土)に中田先輩の詩(「壁」)を合評している際に、山下先生が「中田くんと古川くん、加藤さんの詩は俳句的だ」と指摘したところから生まれた分類だ。短歌的な詩は連分けをしても表現がつながっており、俳句的な詩は、途切れ途切れに起伏を描く。この分類を踏まえておくと、自分と異なるタイプの作家に対しても読解を行いやすくなる。今年の5月に議論された「救済型」と「安心型」のように、人物をタイプ分けするのも面白い試みかもしれない。

 また、正村先輩の詩(「命脈」)を合評している際に、山下先生は「詩における美しさは醜さと同義」とおっしゃった。正村くんの詩の良い点は、美しい言葉で自己を覆い隠そうとしていない点だ、と。荒地派に匹敵するほどの「原始的な言語感覚」で紡がれる詩は、研究会の中でもひときわ異質な魅力をもっている。

 8月6日(土)の合評で、山下先生は「自分が死んでも世界は残るか?」という質問を投げかけた。この場にいたのは山下先生、舟橋先輩、内藤先輩、正村先輩、古川くん、わたしの6人であったが、全員が「残る」と回答した。この問いは以前、日芸で教鞭をとっていらした中村文昭先生が提唱したもので、中村ゼミでは半々に答えが割れたという。かなり本質的な問いであると思うので、ぜひ他の研究会メンバーにも聞いてみたいものである。

 
 
 
第二十回研究会(「あなた」の片鱗)

2023年5月6日(土) 詩を二篇合評した。一つは正村さんの「水浴」で、もう一つは内藤さんの「無題」という詩だ。二人とも詩風というか、感性が私から遠いところにあるように感じられ、私はその場で何か言えたことがない。今回も2週間ほどたって、ようやく日録におこしている始末だ。...

 
 
 
第十九回研究会(『実存文学Ⅲ』進捗状況)

2023年4月22日(土) 新学期が始まり、初めての集会が行われた。今回は本年度制作する『実存文学Ⅲ』や『江古田文学』での特集について、進捗やスケジュールなどを改めて話し合った。以下、会議の様子を記録する。 『江古田文学』の特集に掲載する、『実存主義文学事典』について次のよ...

 
 
 
第十八回研究会(「苦悩」について)

2023年4月8日(土) 今回は合評ではなく、今後『実存文学Ⅲ』で取り扱う予定の詩人の作品の読み合わせと、討議を通じて思索を深めることが主となった。 読み合わせの内容については『実存文学』の次巻の内容に触れるため省略するが、代わりに討議のなかでもとりわけ興味深かった「苦悩」...

 
 
 

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